同紙は1982年以降、元山口県労務報国会下関支部動員部長の吉田清治氏の証言を繰り返し報道した。吉田氏は、「朝鮮慰安婦と日本人」「私の戦争犯罪-朝鮮人強制連行」などの著作を上梓、韓国に自ら赴き謝罪した。同氏は、著書の中で、「自分が朝鮮の女性を強制連行し、慰安婦にした」と書いている。吉田清治氏の証言は、日本の軍人が、旧日本軍が慰安婦を強制動員したことを裏付ける重要な証拠となった。だが、1990年代に入ると、日本の多数の歴史学者やメディアが、この「証言」に疑いを持ち始めた。
報道の取り消しを発表した朝日新聞社は、ただちに、日本の右翼系メディアや政府関係者からの攻撃の対象となり、彼らから「深い反省」を求められた。11日、某ラジオ番組に出演した安倍晋三首相は、この問題について、「朝日新聞の慰安婦問題の誤報によって多くの人が苦しみ、国際社会で日本の名誉が傷つけられたことは間違いない」とコメントした。
木村社長は、早稲田大学卒業後、1976年に朝日新聞社に入社。政治部部長、編集局長、広告・企画業務取締役などを経て、2012年6月に秋山耿太郎氏の後任として代表取締役社長に就任した。木村社長は11日、「第三者委員会を立ち上げ、慰安婦問題について徹底的に検証する」と述べた。
朝日新聞社に長年勤めてきたベテラン社員は、「慰安婦問題は確かに存在する。吉田清治氏の証言が問題になったからといって、その存在を否定することはできない。現在の状況は、慰安婦問題を誤魔化したいという日本人の心理が働いた現れではないだろうか。現在、慰安婦問題を否定するというムードが日本の政治界で主流になっているが、これは日本人として恥ずべきことであり、日本が右翼化に向かう前兆でもある」との見方を示した。
「人民網日本語版」2014年9月12日