今年、上海の大学卒業者は17万7000人。人数の多さや構造的問題から、就職や起業は依然厳しい状況が続いている。上海市統計局が23日に発表した「2015年上海市大学卒業者の就職状況調査報告(2)」によると、公務員になった大学卒業者の割合が、13年比3.2ポイント減、14年比0.7ポイント減となり、公務員ブームが過ぎ去りつつあることを示している。新聞晨報が報じた。
同調査の対象となったのは、上海交通大学、華東師範大学、上海立信会計学院、華東理工大学、上海東海職業技術学院など、16大学の卒業者2071人。回答した卒業者のうち、短大・高専生が29.1%、学部生が 59.5%、大学院生(修士課程、博士課程を含む)が11.4%。別の地域の出身で上海の大学に通っていた卒業生が4割を占めている。
依然「公務員」が最も人気
「公務員ブーム」が冷めつつあるものの、政府機関や事業機関などは、收入などが安定しているため、依然として大学卒業者には最も人気の就職先となっている。調査では、「政府機関・行政事業機関」を選んだ回答者は33.3%。以下、「外資系企業」(32.1%)、「国有企業」(22.8%)、「民営企業」(9.5%)と続いた。同結果から外資系企業も人気であることが分かる。「外資系企業」を選んだ大学卒業者の割合は、13年比5.6ポイント、14年比1.4ポイント上昇した。一方、「民営企業」も、下位であるものの、13年比3.3ポイント、14年比2ポイント上昇した。ただ、「民営企業」となると、「キャリア成長」や「雇用をめぐる権益保障」、「收入の安定性」などへの懸念がネックとなっている。