2015年の夏季映画期間、中国の国産映画はシンボル的な意義をもつ興行成績を収め、ウホウホ状態だったといえるだろう。過ぎたばかりの7月の興行収入の累計は54億9千万元(約1068億円)で、中国語映画史上初めて1か月間の売り上げが50億元(約973億円)を突破した。光明日報が伝えた。
ここ数年来、中国映画は猛烈な勢いで発展してきた。国産映画の興行成績は十数年前の10億元(約194億6千万円)から2014年の296億元(約5760億円)にまで伸びた。
これを背景に、今年の夏季映画期間の興行成績はまた新たなベンチマークを打ち立てるだろう。
興行成績の突破だけでなく、中国映画は制作技術もだんだんとハリウッドの標準に並んできている。「帰ってきた孫悟空」などのアニメ制作は国内アニメ業界の中において比較的高い水準として代表され、「捉妖記」においても50~60%は人間とアニメを融合させた特殊撮影で制作されており、技術の進歩が果たす役割は明確である。
技術的なサポートだけでなく、良い映画の胆となる部分にはストーリー性が不可欠だ。「大作」には多大な制作費用を投資していると多くの人は知っている。しかし、「捉妖記」の脚本家である袁錦麟氏は「大作のほとんどは大きなアイディア、大きなスケール、大きなコンテンツだ」と語る。「帰ってきた孫悟空」と「捉妖記」はともに中国の伝統文化からエッセンスをくみ取り、現代的なアイディアやイメージを発揮して、「中国の物語」を綴っている。また「捉妖記」には、「胡巴」(フーパ)をオリジナルの主人公として、「妖怪」の固定観念を打破した。ストーリーとアイディアに回帰する、これが中国映画が向かっている方向でもある。
国産映画の翼となったインターネット
中国において30年近くの時間をかけてインターネットは発展してきた。またその影響を受ける世代は映画市場における主要な観客層として成長している。「帰ってきた孫悟空」はたくさんの若いアニメ愛好家の関心を集め、「捉妖記」の人と妖怪が交差する非現実的なファンタジーストーリーは若者の好みに完全に合致する。これらのテーマの映画に備え、コアな視聴者が準備できたのは、まさにインターネットの発展によるものだ。「捉妖記」が7年早く制作され公開されていたら、おそらく中国の観客はまだ準備ができていなかっただろう。