人民元の対米ドル基準値は2日に1ドル=6.3619元となり、前営業日に比べて133ベーシスポイント上昇し、6.36元台に戻った。中国人民銀行(中央銀行)の4営業日連続での元の対ドル基準値の大幅引き上げであり、4日間で累計466ベーシスポイントの上昇となった。新京報が伝えた。
8月11日、人民銀が人民元レート基準値の形成メカニズムを調整すると、元の対ドル基準値は過去20年間で最大の単日の下げ幅を記録し、元相場は8月にまれな下落局面に入ったが、9月になるとひとまず下落傾向は止まったと発表された。
8月28日以降、元の対ドルレート基準値が4営業日連続で大幅上昇したことについて、専門家は、「これは人民元の値下がり観測がほぼ転換したことを意味する。現在はさきに中央銀行が想定した水準にほぼ達している」と話す。
人民銀と国家外国為替管理局はさまざまな措置を打ち出して、レート形成メカニズムの調整がもたらす可能性があるレート変動の衝撃を緩和しようとした。これには8月12日に発表された「国家外国為替管理局総合司の最近の銀行による顧客に代行しての外国為替受渡業務のモニタリングの強化に関する緊急通知」が含まれる。外国為替を購入する大口顧客に対するモニタリングの実施を強化するよう銀行に求めるもので、営業日ごとの同局への報告などを要求する。また9月1日にインターネットで伝えられた人民銀の緊急通達が市場の注目を集めた。この通達は、金融機関に対し外貨予約におけるマクロプルーデンス管理を強化するよう求めるもので、10月15日から顧客に代行して外貨予約取引を行う金融機関は外貨リスク準備金を預け入れることになり、準備率は当面20%とされる。だがこの通達は人民銀の公式サイトにはまだアップされていない。
市場関係者は、「外貨の買い予約は人民元市場の予約取引に一定の元安圧力をもたらすことになる。外貨リスク準備金の準備率が引き上げられて予約取引市場への投機行為のコストが上昇すれば、資本の流出を回避することができる」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年9月3日