炭素繊維は新材料業界内の寵児で、「黒い金」と呼ばれている。中国は長年に渡り、高性能炭素繊維を輸入に依存していた。哈爾浜(ハルビン)天順化工科技開発有限公司が担当する、黒竜江省科学技術難関突破重大プロジェクト「T700級炭素繊維炭化中間試験生産ライン・技術の研究」が、このほど黒竜江省科学技術庁の専門家の審査に合格した。科技日報が伝えた。
専門家によると、炭素繊維の強度はアルミ合金の10倍で、密度はその半分のみだ。国防、航空・宇宙産業、海洋プロジェクト、省エネ車などの分野に、多くの需要が存在する。しかし炭素繊維の生産は30の工程を踏まえる必要があり、1つでも瑕疵があった場合は使用基準を満たさなくなる。
同社の孟凡鈞総経理によると、同プロジェクトは独得な絹紡技術、DMSO溶剤回収技術、精密な炭化生産技術、先進的な廃水処理技術を採用することで品質を安定させ、生産コストを下げ、環境汚染を抑え、生産による廃水を減らした。生産コストは1キロ当たり200元以内(1元は約17.58円)で、世界先進企業のコストに近づいた。国内のコストの相場は現在1キロ当たり1000−3000元となっている。国産高性能炭素繊維の高コスト、不安定な品質という2つの重要な問題を解消し、国産炭素繊維の国際的な競争力を高めた。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年2月16日