2014年12月9日  
 

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中国の経済成長目標、理性的な判断を (2)

人民網日本語版 2014年12月08日13:30

世界的に見れば、中国経済の成長速度はまだ非常に高いレベルにある。さらに重要なのは、過去30年余りとはまったく異なる経済成長の構造が浮かび上がりつつあることである。経済の中心が消費やサービス業に移り、内需への依存が高くなり、生産効率の向上による動力がますます重要になっている。

今年年初から第3四半期までの中国の経済成長に対する最終消費の貢献率は48.5%で、投資を上回った。付加価値額に占めるサービス業の割合は46.7%で、引き続き第2次産業を上回った。ハイテク産業と設備製造業の成長率はそれぞれ12.3%と11.1%で、工業の平均成長率を明らかに上回った。単位GDP当たりのエネルギー消費は4.6%下がった。これらのデータは、中国経済の構造に大きな変化が起こっており、質が高まり、構造が改善されていることを示している。

「これまでは中国経済の成長率目標への関心が過度に高かったが、これからは『速度』から『質』に注目点を移すべきだ」と汪同三委員は主張する。速度だけを求めすぎた後遺症が徐々に明らかになる中、来年の経済に対する中央の基調設定では「質を求める」ことが強調され、経済構造のさらなる改善と発展の質の向上がはかられる可能性がある。

注目すべきなのは、中国政府が、ここ1年余り経済下方圧力の中で、大規模な刺激を実施するのではなく、改革に力を入れ、金融・国有企業・財政・税務などの鍵となる分野での改革を絶えず推進し、同時に地域間の調整と選択的な調整を結合し、経済の安定した動きを実現したことである。金利引き下げなどの金融政策の合わせ技の打ち出しは、経済の合理的な成長に動力を添え、改革の全面的な深化の余地を広げようという意図に基づくもので、改革の促進の役割を果たさせるためだった。

瑞銀証券中国のチーフエコノミストを務める汪涛氏によると、政策決定層は来年、安定成長の実現に有利な改革の推進を加速する見込みだ。これには、公共サービスに対する管制の緩和や戸籍改革、社会保険のカバー面の拡大、農地の移転などが含まれる。このほか、金融分野と国有企業改革の歩みも加速される可能性がある。

今年は、全面的な改革深化の元年である。中国共産党第18期三中全会で打ち出された数10件の「改革リスト」のうち、経済体制改革の任務は重要な部分を占めている。その改革の主な目的は、経済発展上の制度的な障害を除去することにある。

来年の経済改革の任務は、(1)行政のスリム化や権限の移譲をさらに進める、(2)混合所有制・財税制度・金融体制の改革を推進する、(3)戸籍制度と農地移転の改革を加速する――という経済成長を引っ張る「トロイカ」によって着実に前進していく見込みだ。

多くの予測によると、改革による利益が広がりつつある中で、中国経済成長の新たな動力は育ちつつあり、来年は今回の経済下方転換の段階的な谷間となる可能性がある。

行政のスリム化と権限の移譲を例に取ると、今年年初以来、数100項目の措置が次々と取られ、草の根の起業の波を起こし、全国民の革新の活力を引き出し、経済成長が緩和しているという状況下で今年1~9月期の新たな雇用は1000万人を超えた。

「経済の内的動力は高まり、構造も改善され、就業の吸収は減らずに増えている。経済成長の目標を引き下げても悪いことにはならない」と汪同三委員は語った。(編集MA)

「人民網日本語版」2014年12月9日


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