メディアの報道によると、又吉さんの才能を発掘したのは、「文學界」の女性編集者・浅井茉莉(31)さん。2011年に、プライベートで文学フリマを訪れていた又吉と出会い、そのエッセーや俳句などから、文学的才能を感じたという。そして、小説を依頼するようになり、「火花」の担当編集者も務めて、芥川賞受賞の最大の貢献者となった。
「又吉さんによって純文学は活性化したし、純文学を読むことへの憧れが一般的な読者にもまだ残っていると教えられた」と浅井さん。
「文學界」の武藤旬編集長も、「ふだん文芸誌を手にとらない10代、20代にもよく売れている。それだけ普遍的なテーマ性と、ポピュラリティーを兼ねそなえた小説だからではないか。又吉さんは鋭い観察眼と独自の文体を持っている」と評価している。
米国で活躍する東京出身の作家・冷泉彰彦さんは、「又吉直樹氏の傑作『火花』は、日本文学を変えるか?」と題する記事を発表し、「キャラクターはよく描かれているし、ストーリー展開も上手。『抽象性』と『思想性・同時代性』の要素も入っているし、『文章表現』も高水準。『お笑い芸人』という職人仕事に徹底したプライドを持っていると同時に、観客に対する無限のリスペクトを持ち合わせており、読者に対して、いかに誠実に面白く、分かりやすく伝えるかという、最も大切な姿勢を、しっかりと貫いている」と評価し、「火花」が日本文学を変えるとの見方を示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年8月17日