2016年1月6日  
 

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中国滞在25年の日本人外交官「中国の元抗日兵士と固い友情結ぶ」 (2)

抗日戦争勝利70周年インタビューシリーズ第12期

人民網日本語版 2016年01月06日09:42

瀬野清水・元駐重慶日本国総領事

 瀬野氏は、日本にとって中国は、日本に多くの文化の恩恵をもたらした大国だと考えている。漢字や服装などはもちろん、仏教や儒教などの哲学の分野でも日本は中国から多くのことを学んだ。「隣国がすたれていくのを見るのは、日本にとってもいいことではない」。瀬野氏は、こうした考えが、1979年以降に日本が政府開発援助(ODA)などの形を通じて中国の経済発展を助けたもととなったと語る。

 購買力平価で計算すれば、中国のGDPは2014年に米国を超えて世界一となった。瀬野氏は中国経済の持続発展に対して楽観的な見方を持っている。「中国が強大となれば、日中両国はともに、世界の平和と安定のために多くのことができる。日中が手を携えて世界に貢献できる時代がまもなく来る」

▽外交に必要なのは「誠意」 普通の人々との交流を重視

 外交官と言えば、多くの人のイメージは、各種の重要な国際会議に出席し、国と国との間を取り持ち、国家間の平和を促す重任を担っているというものだろう。だが瀬野氏は、これは外交官の一面にすぎず、人々の中に入って行き、誠意を持って普通の人々と交流することも同じように重要なのだと語る。中国で仕事をした25年の間に、瀬野夫妻は3人の子どもを産み育てたが、子どもたちは自分と一緒に中国で暮らし、学んだ。子どもを連れて散歩をする時も、自分ひとりで外に散歩に出かける時も、瀬野氏は中国の普通の民衆と交流するのを楽しんだ。

 瀬野氏は、中国の普通の民衆と触れ合った経験のうち、二つのエピソードを話してくれた。その一つは、中国人の元抗日兵士と築いた友情である。在広州日本総領事館で仕事をしていた頃、瀬野氏はある元抗日兵士と知り合った。戦争中、この元兵士は上海で、日本軍に反撃する戦闘に参加した。周囲の大勢の戦友は戦闘で日本軍に殺され、自分だけが残ったのだという。この元兵士はずっと心に苦しみを持ち、日本人に遭遇したらきっと戦友の仇を取ってやろうと思っていた。


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