しかし「人民元は年末にも韓国で取引できるようになるが、将来的に発展できるかについては未知数だ」と分析する声もあがっている。韓国は1997年にウォン・円直接取引市場を開設したが、流動性の不足により、3カ月しか維持されなかった。現在までに中国が指定している人民元域外両替センターは、香港、シンガポール、台湾などの中国語圏であり、韓国は中国語圏以外としてはアジア初の人民元取引センターになる。
世界の人民元建て貿易決済額は昨年4兆6000万元に達し、前年比で58%増と激増した。
人民元国際化は今年に入り加速を続けている。中国はこのほど、ポンドとの直接取引の開始を発表した。中国中央銀行は各国と人民元に関連する協定を結んでおり、域外での人民元取引を加速している。欧州には現在、4つのオフショア人民元取引センターが設立されている。取引量に基づき推算すると、ロンドンは香港に次ぐ、世界2位の人民元オフショア市場になっている。
北京大学経済学院発展経済学部の曹和平教授は記者に対して、「人民元とウォンの直接取引は、ウィンウィンの制度であり、ロンドン、パリ、ブリュッセル、シドニー、東京に続く、世界で6番目の世界主要通貨との為替制度である。これは人民元国際化が物理的に、そのほぼ半分を完了したことを意味している。人民元と世界主要通貨のオフショアセンターは、12−15の戦略的拠点を設置すれば、資本勘定を開放せずして事実上の国際化を実現できる。これらの拠点には、ニューヨーク、シカゴ、南米、アフリカ、東南アジア、香港、台湾、上海、北京などが含まれる。人民元国際化は、「経常収支勘定の開放―資本勘定の開放―世界の主要通貨との自由な取引」という典型的なルートをたどるのではなく、重点市場を介して直接実現される。これは各国の通貨の国際化、および国際的な通貨制度の進歩に対する重大な貢献だ」と分析した。
金融面の大規模な協力の他に、中韓は韓国新万金(セマングム)経済協力区を共同開発し、中韓自由貿易協定の早期締結で合意し、2015年までに中韓貿易額を3000億ドルに拡大する予定だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年7月3日