独シーメンスは25日、同国の自動車部品大手ボッシュグループに対し、同社との合弁会社ボッシュ・ウント・シーメンス・ハウスゲレーテ(BSH)の株式50%を30億ユーロ(約4167億円)で売却すると発表した。買収作業は来年上半期に完了する見込み。これにより、シーメンスは家電業界から完全に撤退することになり、工業・エネルギー・医療などのコア事業に精力を注ぐ。京華時報が報じた。
168年の歴史を誇る電子関連メーカーの老舗企業シーメンスは、1994年に中国市場に参入した。BSHは、シーメンスとボッシュが1967年に折半合弁で設立した合弁会社で、一度は欧州最大の家電メーカーにのし上がり、2013年売上は105億ユーロ(約1兆4585億円)に達した。BSH設立後、シーメンスの家電はすべて、BSHが生産、販売、アフターサービスを担当してきた。
シーメンス中国公司の担当者は25日、「シーメンスがBSHの株式50%を売却した後、中国市場のシーメンスブランド家電に何らかの影響が及ぶことはありえない。製品の生産・販売・アフターサービスは、従来通りBSHが担当する。シーメンスのブランドも、今後消えることはない。中国に4カ所あるBSH生産製造基地と1万人を超える従業員には、何の変化も発生しない」と話した。
半月前、米家電大手ゼネラル・エレクトリック(GE)は、家電事業をスウェーデンのエレクトロラックス社に33億ドル(約3600億円)で売却すると発表した。シーメンスも、GEの後を追うように、BSH株の50%を売却し、家電業務からの完全撤退という道を選んだ。
家電業に詳しい関係者は、次の通り指摘した。
家電製品の利益減少が、欧米大手各社が続々と同業界から撤退する決定的要因となっている。かつてのグローバル家電業界では、欧州、米国、日本、韓国、中国の5大陣営がお互い競い合っていたが、今では、中韓両国の家電ブランドの勢いが活発になる一方で、欧州・米国・日本の家電メーカーの多くが過去の栄光を失ってしまった。今後のグローバル家電業界では、中国と韓国の凄まじい覇権争いが展開するだろう。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年9月29日