◆中国市場、リコールの「真空地帯」に
東芝だけではなく、シャープ、トヨタ、ジョンソン・アンド・ジョンソン、イケアなどのグローバル企業は、中国の国内外の品質管理で「ダブルスタンダード」を設定しており、問題製品のリコールは一つの例外もなく中国を対象外としている。
シャープは2010年に、米国で販売されていたLC-32SB 28UTシリーズの32インチ液晶テレビのリコールを発表し、その数は約9000台に達したが、中国市場は含まれなかった。中国人消費者は問題に気づいても、部品を交換するしかなかった。
一部の車種にガソリン漏れのリスクがあるため、トヨタは2011年に世界で約170万台の自動車のリコールを発表した。これには日本市場の120万台と海外市場の42万台が含まれ、主に日本、米国、英国、ドイツなどの市場を対象としたが、中国大陸部は含まれなかった。
イケアは2012年に、全世界で中国製のランプのリコールを実施すると発表し、9万7000個がその対象となり、そのうち北米地区で約5000個が回収された。その主因は接地の不備で、消費者が感電する可能性があるとされたが、中国は対象外となった。
なぜ中国市場が常に対象外になるのかという疑問に対して、グローバル企業の回答はほぼ一致している。リコール製品のロットナンバーに中国販売分が含まれない、もしくは中国で販売されている製品のすべてが中国の国家基準に合致しているというのだ。
グローバル企業の赤裸々な「消費差別」の行為に対して、中国の消費者はこれを批判すると同時に反省を進めている。あるネットユーザーは、「なぜグローバル企業の先進国市場におけるリコールの頻度が中国市場を大幅に上回るのだろうか、まさか中国向けに販売されている商品の方が品質が優れているというのだろうか?それともこれらの企業が国内法の不備を突いているのだろうか?」と疑問を呈した。