8.元代龍泉窯鉄斑紋玉壺春
元時代(13~14世紀)、大阪市立東洋陶磁美術館所蔵。
高さが26.9センチ。1952年に国宝に指定された。
《飛青磁 花生》のかたちは、玉壺春(ぎょっこしゅん)といい、ふっくらとした胴と引締まった頸が特徴だ。かつて中国では、青磁における青色は「雨上がりの空の青」を理想としたといわれ、本作においても透き通るような青がムラなく均質に器体を覆う。また、江戸時代の大坂の豪商鴻池家に伝世したものと考えられている。完璧な器形、散りばめられた斑点模様、釉薬の素晴らしい発色などといった要素も揃い、現代青磁の手本ともいえる名品として今日に伝わっている。
「飛青磁」とは、器表に鉄釉の斑点を散らし、その上に青磁釉を掛けたやきもののこと。この一風変わった模様のやきものを日本人は茶道具として珍重してきた。
江戸時代(1603~1868年)に大阪の豪商鴻池家に伝世したもので、鴻池家から安宅コレクションを経て大阪市立東洋陶磁美術館に所蔵されるに至った名品。
「東方ネット」 2014年8月27日