2.宋代建窯曜変天目茶碗
南宋時代(12~13世紀)、大阪藤田美術館所蔵。
高さが6.8センチ、口径が12.3センチ、高台径が3.8センチ。1953年に国宝に指定された。
瑠璃色の曜変と呼ばれる斑紋は、まるで宇宙に浮かぶ星のように美しい輝きを放ち、品のある華やかさの中にも落ち着きがある。 土見せで小振りの削り高台から開いた形や、すっぽん口という口縁のくびれは天目形の特徴で、この茶碗には、腰付近に厚い釉溜り、口縁に覆輪が見られる。
外壁にすこしの曜変の斑紋があり、茶碗内に油滴状曜変の斑紋が分布しており、曜変の効果が静嘉堂文庫美術館をすこし劣る。
江戸時代(1603~1868年)水戸徳川家が所持し、大正7年(1918年)藤田平太郎が53800円で購入。本器は徳川家康(1542~1616年)、徳川頼房(1603~1661年、水戸徳川家)、藤田平太郎、藤田美術館などに伝わってきたと分かった。