中国科学院新疆生態・地理研究所の李彦氏が率いる研究チームは調査により、砂漠の地下の塩水層が、世界の科学者が追い求めてきた「失われた二酸化炭素吸収源」の一部であることを確認した。人民日報が伝えた。
化石燃料の燃焼によって発生する二酸化炭素の一部は大気中に吸収され(これにより大気中の二酸化炭素の濃度が上昇する)、一部は海洋に入るが、残りの行き先は不明で、「失われた二酸化炭素吸収源」と呼ばれている。科学者は数十年に渡りその行方を追い求めており、陸上の生態系に存在するとほぼ断定されている。
中国と米国の科学者は数年前、砂漠もしくは荒野の地表に二酸化炭素を取り込む地点があることを発見し、これらのエリアが巨大な二酸化炭素吸収源である可能性があると推測した。この発見は注目を集めると同時に、強く疑問視された。荒野は土壌が痩せており、植物もまばらであるのに、これほど急速に二酸化炭素を吸収できるわけがないというわけだ。
李氏の研究チームは10年間の模索を経て、ついに答えを導き出した。これらの二酸化炭素は、荒野の地下の塩水層に吸収されているというのだ。荒野の端に位置するオアシス、もしくは荒野の土壌は、その他のエリアのように排出された二酸化炭素を完全に大気中に戻すのではなく、これを吸収する。一部の二酸化炭素は、アルカリ性の土壌に溶け込み吸収される。吸収された二酸化炭素は地下水の中に入り、地下水の水平輸送により広大な砂漠の下に入る。李氏は、「これらの炭素吸収源の総量(世界)は1000億トンに達すると見られる。これは地上の植物・土壌以外の、第三の活動する炭素吸収源だ」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年7月30日