▽休業する日系企業も
観光客だけではなく、タイに進出した外資系企業にも影響が出ている。日本経済新聞のサイトが18日に伝えたところによると、NECは社員のバンコク子会社への出張を一時的に中止にした。ソニーのバンコクの販売ネットワークは社員に不要不急の出張は延期または中止するよう通達した。バンコク市内に11店舗を構える牛丼チェーンの吉野家ホールディングスは、事件発生現場に一番近い店舗をしばらく休業にすると決定し、化粧品メーカーのマンダムは18日に現地販売会社を休業にし、社員には自宅待機を命じた。
ロイター社は、「最も明らかで直接的な影響を与えるのはビジネス訪問客」と報じた。シンガポールの旅行代理店ダイナスティトラベルインターナショナルの営業・渉外部門の責任者アリシアさんは、「弊社で9月にバンコク行きを予定していた観光客150人は、会議に参加する人が多いが、約6割が行き先の変更を求めている。観光地で突発的な事件が発生すると、最も直接的な打撃は心理面に与える打撃となる。短期的な影響としては、観光客がしばらく来なくなることが考えられる」と話す。
▽経済回復の歩みは非常に弱々しい
タイのカシコン銀行の資本市場研究主管は「環球時報」の取材に対し、「観光産業が現在、タイの国内総生産(GDP)に占める割合は10%を超え、今年の入境観光(インバウンド国際観光)の旅客数は7%のペースで増加しており、こうした状況の中で、爆弾テロ事件はタイ観光産業にマイナスに作用し、経済的損失を与えるものとなる」と述べた。
日経新聞の英語媒体「日経アジアンレビュー」の19日付報道によると、野村証券のタイ経済専門家はタイ経済の見通しに悲観的な見方を示しており、「もともと暗雲がたれ込めていた経済見通しに、爆弾テロ事件が大きなリスクを新たに付け加えた」と述べた。
同専門家は、「観光産業はタイ経済の今年『唯一の光明』であり、上半期の経済成長率2.9%のうち、観光産業の貢献度が3分の2に達した」と指摘した。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年8月21日