人民網日本語版は、中国の新聞報道を翻訳した記事を理解する上での手助けとなるため、「中国時事用語集(中日対訳)」を開設しました。「中国時事用語集(中日対訳)」には中国の新聞報道に使用される政治・経済・社会・文化・法律などの用語を幅広く収録し、定期的に更新する予定です。読者の皆様のお役に立てれば幸いです。
■「(高考)状元」と「(大学入試)成績最上位者」
「状元」は、元々科挙の最終試験で成績第1位の人を指す言葉でした。1300年の長い歴史を持つ科挙は中国社会に多大な影響を与えてきました。科挙制度がなくなった現代においても、「状元」という言葉は毎年の大学入学試験などにおいて生き続けています。中国の大学入試は省・市・自治区単位で行われるため、各地域の入学試験における成績最上位者がその地域の「状元」と呼ばれます。成績が発表されると、「状元」たちのもとにメディアの取材が殺到し、受験勉強の経験や将来の進路などについて盛んに報道されます。なお、日本語での「成績最上位者」は「成績最優秀者」とも呼ばれます。
■「档案馆」と「公文書館」
中国で「档案」と言えば、まず思い浮かぶのは「人事档案」かもしれません。「人事档案」とは、組織や機関によって保存される個人の家族構成・学校成績・職歴・犯罪歴等の資料を収集した文書のことです。それに対して、「档案馆」の「档案」はより範囲の広いものを指します。国家機構・社会組織及び個人が作成した各種文字・図表・音声・映像による歴史記録がすべて「档案」となります。これに対応する日本語は「公文書」であるため、中国で言う「档案馆」は日本では「公文書館」と言います。
■「网络空间」と「サイバースペース」
「サイバースペース」は「サイバー空間」とも言います。この「サイバー」とは「コンピュータ(ネットワーク)の」「インターネットの」を意味する言葉で、主に複合語の中で使われます。「(インター)ネット」による複合語とほぼ同じ意味で使われていると考えられます。ただ、「(インター)ネット」はもっとも一般的な用語であるのに対して、「サイバー」の場合は、やや専門的な感じがします。また、「(インター)ネット」よりも「サイバー」の使用頻度が高い表現が存在します。「サイバースペース」のほかに、「サイバー攻撃」、「サイバーテロ」、「サイバー犯罪」、「サイバーセキュリティ」などが挙げられます。(許永新)
「人民網日本語版」2014年9月30日