中国のおばさん経済が含む内容はさまざまで、いろいろな角度から解釈することができる。おばさんの多くはこつこつ貯めたり、めぐり合わせがよかったりして、かなりの資産をもっており、非常に裕福だ。前出の銀行マンと同様、さまざまな業界がおばさんに照準をしぼり、おばさんから富を引き出そうとしている。今や多くの企業がおばさんのビジネス的な潜在能力を引き出すのに躍起になっている。家事サービス、資産管理や保険、美容健康、旅行・観光などなど、実に多くのビジネスがある。記者の勤め先のビルには、中国のおばさんとその夫をターゲットにした旅行業務を提供する会社があり、おばさんは一定の費用(数万元であることが多い)を支払って、この会社から数年にわたって団体格安旅行のサービスを受けている。また毎日昼ご飯時になると、このビルのレストランの半分ほどはおばさんで埋まり、中には夫を連れて来るおばさんもいる。おばさんは食事をしながら、この会社の情熱溢れる若い営業担当者と楽しく会話して盛り上がるのだ。
おばさんは伝統的な意味での「金づる」や「スポンサー」といった印象を与えるだけではない。ほとばしる情熱を放出させてもいる。「山岳都市の重慶に行けば、美女がたくさんいる」というが、最近は奇妙な光景がみられるようになった。店がオープンするときにキャンペーン台に上がるのが、若くてきれいな女性でなく、広場で踊るおばさんたちであるケースが増えてきたのだ。おばさんたちはおそろいの衣装を着て、楽器をうち鳴らし、歌ったり踊ったり飛び跳ねたりする。作り笑いのキャンペーンガールたちと違い、おばさんたちの情熱は本物で、地に足がついているといえる。
中国はすでに高齢化社会に足を踏み入れている。おばさんには情熱もパワーも富も消費意欲もあり、無視できない経済的パワーとなっている。中国の多くの業界で「中国のおばさんの心をつかめば天下を取れる」などと言われるが、これはあながち嘘ではない。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年8月18日